全日本空輸健康保険組合

2017年2月24日号 全日本空輸健康保険組合

―――　ANA　healthy　Mail　magazine　―――

□■炭水化物はよくないもの?「正しい糖質のとり方」■□

監修／女子栄養大学教授 蒲池佳子

最近、ごはんやパンなどを制限する「糖質制限」が話題になっています。
糖質のとりすぎは肥満につながるだけではなく、だるさや疲れ、 また糖尿病の人にとっては、血糖コントロールが乱れる原因になります。
しかし、「からだを動かす」「脳を働かせる」エネルギーのほとんどは、糖質であり、 重要な働きをしています。
糖質を控える必要のある人でも、1日の総エネルギーのうち、 50％は炭水化物でとるようにしましょう。
※炭水化物と糖質…炭水化物はエネルギー源になる糖質と、食物繊維の総称です。

◆このような食べ方は、糖質を「悪者」にする

次のような習慣は、明らかに糖質のとりすぎとなり、肥満や高血糖を招く原因になります。

• ラーメン+チャーハン、パスタ+パンなど炭水化物の重ね食い
• ご飯は必ずおかわりをする、大盛りにする
• 清涼飲料水や加糖の缶コーヒーなどをよく飲む
• お菓子をよく食べる
• 菓子パンを食事代わりによく食べる

◆糖質を「味方」にする食べ方は?

1.食の内容を変える

食物繊維を多く含むものに変えると、血糖値の上昇がゆるやかになります。
また、夕食のご飯を抜いて糖質を控える人もいますが、血糖値を安定させるためには、 3食均等に食べる(控える)ことが大切です。
・白米………胚芽精米、玄米、雑穀ご飯などに
・白いパン…ライ麦パン、全粒粉のパンなどに

2.糖質の多い野菜や果物をとりすぎない

・糖質多めの野菜…いも類、かぼちゃ、とうもろこし、にんじんなど
・糖質多めの果物…バナナ、カキ、メロン、リンゴなど
果物はキウイ、みかん、いちごなどが糖質が少なく、おすすめです。

3.甘味のある飲みもの、おやつに注意

飲みものは、糖質を含まないお茶類や無糖のコーヒーなどに。
果汁の入っているジュース(野菜ジュース含む)、 甘くないせんべいやスナック菓子も要注意です。
おすすめのおやつは糖質低めのプレーンヨーグルトやナッツ類、ドライフルーツなどですが、 小分けにするなどして、食べすぎない工夫が必要です。

4.食べる順番は汁物・おかず、最後に主食

食物繊維やたんぱく質を含むものを先に食べておくと、 後からご飯などの糖質を食べたとき、血糖値の上昇がゆるやかになり、 同じ量を食べても太りにくくなります。

◆極端な糖質制限食は

たんぱく質や脂質のとりすぎによる弊害(腎臓に負担がかかる、脂質異常症になる)、 脂肪分解の際にできるケトン体という物質の蓄積(ケシアシドーシス)による 意識障害などを招く危険性があります。
長期的な安全性についても確認されていません。
糖尿病で薬を使っている方は低血糖発作をおこす場合もありますので、 必ず医師に相談してください。

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