全日本空輸健康保険組合

「がん」はかつて不治の病といわれていましたが、医療の進歩によって治る病へとなりつつありす。
実際に、どのくらいの人ががんにかかり、そのうちどのくらいの人が治っているのかなど、最新の統計をもとにがんについて正しく知りましょう。

日本人の2人に1人ががんにかかる！

日本人が一生のうちにがんと診断される割合は、男性が65.5％、女性が51.2％と高く、がんが身近な病気であることがわかります。
最も患者数の多い大腸がんは生活習慣の乱れと関係があり、喫煙や過度な飲酒をしている方、肥満の方はリスクが高まります。
大腸がんの予防には、からだを動かす習慣をつけることや、食物繊維やカルシウムの摂取が効果的であるといわれています。
バランスの良い食事をとる、お酒は適量にする、禁煙するなどの生活習慣の改善は、がん全般の予防にもつながります。

［がんの患者数（2019年）］

	全体	男性	女性
1位	大腸　155,625人	前立腺　94,748人	乳房　97,142人
2位	肺　126,548人	大腸　87,872人	大腸　67,753人
3位	胃　124,319人	胃　85,325人	肺　42,221人

（国立がん研究センター がん情報サービス がん統計「全国がん登録罹患データ」より）

日本人の死因第1位はがん

日本人の死因で最も多いのが、がんです。
その数は2位の心疾患に15万人以上の差をつけ約38万6千人にのぼり、全体の24.6％を占めています。
男女別では、男性が27.9％で4人に1人、女性が21.1％で5人に1人が、がんで亡くなるといわれています。
なかでも肺がんは最も死亡数が多く、その主な原因としてあげられているのが「喫煙」です。
喫煙者は非喫煙者に比べ、男性で4.4倍、女性で2.8倍も肺がんになりやすいというデータもあります。
タバコは吸っている本人だけでなく周囲にも害を与えるので、自分や周りの健康を守るためにも禁煙しましょう。

［がんによる死亡数（2021年）］

	全体	男性	女性
1位	肺　76,663人	肺　53,750人	大腸　24,989人
2位	大腸　53,088人	大腸　28,099人	肺　22,913人
3位	胃　40,711人	胃　26,455人	膵臓　19,860人

（国立がん研究センター がん情報サービス がん統計「全国がん登録罹患データ」より）

早期発見（ステージI）で生存率は8割以上！

がんは見つかるのが早いほど治る可能性が高くなります。
しかし、初期段階では自覚症状がないことがほとんどで気づくのが難しく、症状が出る頃にはすでに進行して手遅れになってしまうことも。
早期発見・早期治療のために、がん検診を定期的に受けることが大切です。

［ステージ別でみた5年生存率］

ステージ	肺がん	胃がん	大腸がん	乳がん	子宮頸がん
I	82.2％	92.8％	92.3％	98.9％	94.9％
II	52.6％	67.2％	85.5％	94.6％	79.4％
III	30.4％	41.3％	75.5％	80.6％	64.0％
�W	9.0％	6.3％	18.3％	39.8％	25.9％

（国立がん研究センター がん情報サービス 「2014-2015年5年生存率（ネット・サバイバル）」より）

＊「要精密検査」の通知がきたら…
がん検診を受診する場合、一次検診は安全性を重視した比較的簡易な検査なので、異常が見つかったら、精密検査で詳しく調べてがんかどうかをはっきりさせなくてはなりません。
がんかもしれないとわかっていながら放っておくのは危険です。
命を守るために、半日だけ時間をつくってください。
がんだったらどうしようと不安な方は、がんではないことを確かめて安心するためにも精密検査を受けましょう。

［精密検査を受けた人のうち、実際にがんが見つかった人の割合］

肺がん	胃がん	大腸がん	乳がん	子宮頸がん
1.74％	1.88％	2.60％	1.05％	4.88％

（厚生労働省「令和3年度地域保健・健康増進事業報告の概況」より）

また、「忙しいから」「元気だから」といって自分の健康を後回しにしがちなご家族にもぜひ、がん検診・精密検査ともに受診をすすめてください。

［参考資料］

• 国立がん研究センター・がん情報サービス・がん統計「全国がん登録罹患データ」、「2014-2015年5年生存率」
• 厚生労働省「令和4年人口動態統計（確定数）の概況」、「令和3年度地域保健・健康増進事業報告の概要」