全日本空輸健康保険組合
――― ANA healthy Mail magazine ―――
□■ 男性も知っておきたい!月経困難症 ■□
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月経困難症ってなに?
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月経痛のつらさによって日常生活に支障が出る状態のことを「月経困難症」といいます。
月経痛には個人差があり、症状が軽い人もいれば、家事や仕事が行えなくなるほど重い人もいます。
症状が重い場合、次の病気が隠れていることがあります。
[こんな病気が隠れているかも?]
・子宮内膜症
子宮の内側を覆う膜が、卵巣など別の部位に発生して周囲との癒着や炎症を起こす。
不妊の原因の一つで、がんのリスクを高める。
・子宮筋腫
子宮筋層にできる腫瘍で、30代以上の女性の2〜3割でみられる。
良性だが、大きさや場所によっては不妊や流産の原因にもなる。
・子宮腺筋症
子宮内膜症と同様、子宮筋層内に別の組織が入り込み子宮が肥大する。
30代後半〜40代以降の出産経験のある人に多くみられる。
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つらいときは婦人科の受診を
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上記の病気が潜んでいる場合は早期発見・早期治療につながるので、つらいときは無理をせずに婦人科を受診しましょう。
症状を緩和するための低用量ピルや漢方も処方しています
[低用量ピルの効用(避妊以外)]
・月経困難症の改善
・PMS(月経前症候群)の改善
・肌荒れ、ニキビ、多毛症の改善
・卵巣がん、子宮体がんリスクの低減 など
※ピルの成分であるエストロゲンには血液を固まりやすくする作用があるため、血栓症の病気にかかったことがある方は服用できません。
また、タバコは血栓症のリスクを高めるため、喫煙中の方には処方できない場合があります。
とくに35歳以上で1日15本以上服用している方は服用できません。
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月経痛をやわらげるセルフケア
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すぐに婦人科を受診できないときや、受診するほどでもないけれど少しつらいなどのときは、次のセルフケアを試してみましょう。
・こころのケア
月経中は女性ホルモンの乱れにより、イライラや抑うつなど、心が不安定になりがちです。
ストレス過多だとより乱れやすくなるため、普段からためこまない工夫をしましょう。
・半身浴や足湯でリラックスする
・睡眠をしっかりとる
・好きな本や映画で気分転換する など
・からだのケア
腹痛、腰痛、頭痛などの主な原因は「冷え」です。
月経中はホルモンバランスの変化によって体温が下がります。
体が冷えて血行が悪くなると月経痛が悪化するので、しっかりあたためましょう。
・ココアやショウガ湯などでからだの中からあたためる
・ブランケットやカイロで、下腹部や腰回りを冷やさないようにする
・血の流れを妨げないように、ゴムのウエストなど締めつけが少ない服を着る など
*月経でつらそうな人がまわりにいたら…
同僚や友人、恋人や家族が月経でつらそうにしているときは、相手を思いやり、自分にできることをしましょう。
まわりの心遣い一つで、つらさが軽減されることもあります。
・無理に元気づけようとせず、そっとしておく
・家事などのできることをし、負担を軽減する
・カイロやブランケット、あたたかい飲み物を用意する など
[参考文献]
・日本産科婦人科学会 産婦人科診療ガイドライン「婦人科外来編2020」
・日本産科婦人科学会 ホームページ 産科・婦人科の病気
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