全日本空輸健康保険組合

タバコは、のどや肺といった呼吸器系の免疫機能を弱めるため、喫煙者は新型コロナやインフルエンザなどの呼吸器感染症の感染・重症化のリスクが大きくなります。さらに、ニコチンには、新型コロナウイルスをキャッチするタンパク質（受容体）を増やす作用があります。つまり、新型コロナの「侵入口」が増える分、感染の危険性も高まるのです。これは、受動喫煙の場合も同様です。タバコの煙に含まれる有害物質の粒子（PM2.５）が周囲の人の肺にも入り込んで、炎症を起こしたり、新型コロナの「侵入口」を増やしたりします。

加熱式タバコはタバコの葉を使った、れっきとした「タバコ製品」。当然、ニコチンも含まれており、従来のタバコ（紙巻きタバコ）の場合と同じく、新型コロナの感染・重症化の危険を高めると報告されています。また、日本で販売されている電子タバコにはニコチンは含まれていませんが、リキッドの主成分グリセリン※の作用で肺がしぼむ可能性が指摘されています。呼吸器を傷めるため、新型コロナ感染のリスクも高まるといえます。
※食品添加物として認められている溶剤ではあるものの、エアロゾル（霧）として肺に吹き付けた場合の危険性は未知数。

「おうち時間」が増えて、自宅で好きなときにタバコを吸えるようになり、「タバコの本数が増えた」「やめていたけどまた吸い始めた」という人もいるのでは？こうした中で、喫煙者自身の健康被害はもちろん、受動喫煙のリスクも高まっています。「ベランダや換気扇の下で吸えばいいんじゃないの？」とお思いの方もいるかもしれませんが、これはNG。換気扇の下で吸っても、煙は部屋に広がってしまいます。また、ベランダで吸ってもサッシのすきまから室内に煙が侵入し、集合住宅なら近隣家庭にも煙が拡散。窓を開けられずに、新型コロナ感染予防に大切な換気が十分にできないといった問題にもつながります。
さらに、室内で喫煙した場合は、壁やカーテン、家具の表面に付着したタールから発がん性がある有害ガスが発生し、それを吸ってしまう「3次喫煙」が起こります。なお、喫煙者のタバコくさい呼気や服・髪などにもタバコ成分が含まれているため、移動するだけで周囲に有害物質をまき散らすことになります。こうした問題を解決するただ一つの方法は、禁煙です。

禁煙はつらい、失敗する…というのは昔のイメージです。禁煙外来での治療なら、禁煙補助剤の利用でニコチンの禁断症状を抑えられるので、比較的楽に禁煙できて、成功率も約8割！また、健康保険が使えて1日約240円と、タバコ代（1箱500円前後）より断然お得です。加熱式タバコを吸っている場合も、健康保険を使って治療を受けられます。さらに、全日空健保では、禁煙非常口キャンペーンを行っており、当プログラムで禁煙できれば、自己負担が0円に。通年受け付けていますので、思い立ったときにすぐにチャレンジできますよ。

「禁煙したいけど、病院に行く時間がない」「通院は難しいけど、一人では不安」という方には、トライアル導入している「オンライン卒煙サポートプログラム」の活用がおすすめです。オンラインビデオ通話での指導＋医師が開発したアプリでのサポートで、無理なく禁煙へ導きます。禁煙補助剤（ニコチンパッチ・ニコチンガム）もご自宅へ配送するので、すべてオンラインで完結。また、サポートは看護師・保健師・薬剤師などの専門家が行うので安心です。本来6万円かかる費用も、トライアル導入のため当健保が全額負担します。このチャンスをお見逃しなく！

（参考）
日本禁煙学会「「新型コロナウイルス感染症とタバコ」（2020年11月）
厚生労働省　e-ヘルスネット［情報提供］「喫煙」