全日本空輸健康保険組合
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□■ 健康被害は従来のタバコに匹敵?! 新型タバコ 最新情報 ■□
若い世代を中心に利用者が増えている加熱式タバコと電子タバコ。この2つは、まとめて「新型タバコ」と呼ばれています。電子機器のようでカッコよく、スマートに見えますが、その危険性が徐々に明らかになってきました。
- 加熱式タバコは二重のリスク
- 加熱式タバコとは、タバコの葉などを燃えない温度で加熱し、タバコ成分を含むエアロゾル(霧・ミスト)を吸うものです。実は、タバコ本来の有害物質による健康被害があるのはもちろん、さらにプラスαのリスクも負うと考えられています。
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- @ 加熱式タバコにも発がん性物質
- タバコの葉を加熱するので、従来のタバコ(紙巻きタバコ)と同様に、アルデヒド類などの発がん性物質が発生します。これはたとえ量が少なくても、長期間の使用で肺がんが発生する恐れがあるものです。また、製品によっては、紙巻きタバコと同じくらいニコチンが含まれているものもあります。
- A 専用スティック・液体には有機溶剤が
- 加熱式タバコ用のスティックや液体に、ネバネバの有機溶剤(グリセオールやプロピレンアルコール等)が使われているのも危険ポイント。これらは、食品添加物や歯磨きペーストなど経口投与では無害ですが、加熱して肺にエアロゾルとして吸入すると肺がしぼむという指摘もあります。
- 電子タバコもやめたほうがいい
- 電子タバコは、専用の液体をヒーターで加熱し、発生したエアロゾルを吸うものです。日本国内で販売されている製品にはニコチンも含まれておらず※、「これなら安全かも」と勘違いしてしまいそうですが、こちらにも有機溶剤が使用されています。そもそも、新型タバコで使われている有機溶剤は、これまで肺に直接吹き付けた経験がなく、人体にどのような悪影響が出るかは未知数。手を出さないのが賢明と言えます。
※個人輸入などで海外のニコチン入り製品を入手し、国内で使っている人もいます。
- 「新型」でも受動喫煙の危険性あり
- 「新型タバコなら家族のいる部屋で吸っても安全」と思っている人もいるようですが、それは危険。というのも、新型タバコを利用した時の吐く息には、有害物質が含まれており、周囲の人が受動喫煙してしまうことになるからです。家族(特に子ども)にぜん息や化学物質過敏症が発生する危険性もあります。なお、2020年4月からは、受動喫煙防止法が全面施行され、公共の施設や飲食店等では原則禁煙がルールになりました。紙巻きタバコだけでなく、加熱式タバコも禁煙場所では吸えません。電子タバコは今のところ規制の対象にはなっていませんが、マナーとして、禁煙場所での使用はNGです。
- 喫煙で呼吸器感染症の感染・重症化リスク大
- 喫煙者はのどや肺の免疫システムが傷ついているため、インフルエンザや新型コロナウイルスといった呼吸器感染症の重症化・死亡リスクが高いことがわかっています。そして、これは、従来のタバコに限らず、加熱式タバコ・電子タバコの場合も同様です※。また、喫煙所は「3密」(密集・密接・密閉)になりやすい場所。さらに、タバコを吸うときにはマスクを外して、ドアノブや手すりを触った指でタバコを持ち、口にくわえるため、感染の危険性が高まります。なお、「3密」回避のため喫煙所を閉鎖しているケースが多く、吸える場所を探す手間・ストレスもこれまで以上にかかります。
喫煙者は自分の身を守るためにも、この機会に禁煙しましょう。タバコを吸わない人は、身近に喫煙する方がいれば、禁煙をすすめてみてください。
※日本禁煙学会ホームページ掲載の資料より
- ※禁煙方法について
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禁煙したい方にまずおすすめなのは、禁煙外来での治療です。医師の指導と禁煙治療薬、12週間で5回の通院で成功率が高く、ラクに禁煙できます。
自己負担額1〜2カ月分のタバコ代(14,000〜20,000円)で禁煙できるのもポイントです。
なお、全日空健保では、禁煙外来の自己負担が実質0円になる「禁煙非常口キャンペーン」に加え、「オンライン卒煙サポートプログラム」も試験的にご用意しています。ぜひご利用ください。
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