メールマガジン“ANA Healthy Mail”

2024年11月25日号 Vol.147

全日本空輸健康保険組合

――― ANA healthy Mail magazine ―――

□■ これでぐっすり!冬の睡眠 ■□

急に寒くなるこの季節、ぐっすり眠れていますか? 寝苦しいといえば夏のイメージがありますが、実は冬も良い睡眠をとるのが難しい季節。そして睡眠の量・質が足りていないと、体調を崩して仕事のパフォーマンスが落ちたり、長期的には糖尿病などの生活習慣病やこころの病気につながったりといった影響があります。冬の睡眠対策のポイントを知って、この冬も元気に乗り切りましょう。

冬に良い睡眠がとりにくくなるのはなぜ?
「寒くてなかなか寝付けない」「朝、布団から出るのがつらい」…冬に睡眠の量・質が低下する大きな要因は、やはり「寒さ」です。それに加えて、乾燥など冬ならではの事情が影響しています。

●低い室温
冬の寝室の温度は、空調がない状態では10℃前後といわれています。室温が低いと血圧が上昇するほか、睡眠の質が下がることもわかっています。

●からだの冷え
からだの内部の温度(深部体温)は1日を通して上下しており、深部体温が下がると眠りやすい状態になります。就寝時に手足が冷えていると、手足から体温を放熱して深部体温を下げることができず、寝つきの悪化につながります。

●鼻・喉の乾燥
鼻の粘膜の荒れ、喉のイガイガ等で眠りを阻害する原因に。また、呼吸器の感染症を引き起こしやすくなります。

なお、冬は日照時間が短くなるため、一般的に10〜40分ほど睡眠時間が長くなることがわかっています。成人の睡眠時間の目安は6時間以上ですが、季節によって変化するうえに、個人差もあるため、自分に合った睡眠時間を把握することも重要です。「朝起きた時に睡眠で休養がとれた感覚が低い」「日中に眠気で困ることがある」といった場合は、睡眠時間が足りていない可能性があります。

冬の睡眠対策3つのポイント
冬の快眠の秘訣は、上記の要注意点を改善すること。そのカギは、ズバリ「室温」「深部体温」「湿度」の3つの調整です。

@エアコンなどの空調を使い、部屋を暖かく保つ
重要なのは、寝床の中だけでなく部屋も暖かいことと、室温が一定に保たれていることです。起床時に急な寒さにさらされないようにすると、血圧の急上昇を防ぐことができ、心筋梗塞や脳卒中の予防にもつながります。WHOのガイドラインでは、冬の室温は18℃以上に保つことが推奨されています。暖房のつけっぱなしが気になる場合は、起床1時間前から運転するようにタイマーを設定すると安心です。

A湯船につかって、深部体温を上げておく
就寝前に体を温めておくと、就寝時間ごろに深部体温が下がり、眠気を感じて寝つきやすくなります。就寝1〜2時間前に、39〜40℃のぬるめの温度で入浴するのがおすすめです。なお極端に熱い温度は、交感神経の活動を促しかえって覚醒するので注意しましょう。

B加湿器で湿度を40〜60%に保つ
冬場は空調を使用する、しないに関わらず部屋が乾燥します。適度に加湿することで、鼻や喉の乾燥による不快感を防ぎ、睡眠の質向上につながるほか、鼻や喉の粘膜による免疫機能をキープし、インフルエンザ・カゼなどの予防にもつながります。
効果的に加湿するには、加湿器を床より高い位置に窓辺を避けて設置すると良いでしょう。加湿器がない場合は、洗濯ものの部屋干しや、観葉植物を飾ることでもやさしい加湿効果が得られます。

良い睡眠のためには生活習慣も大切
季節による要因だけでなく、普段の生活習慣も眠りに大きく影響します。実は寝つきや睡眠の質が下がるNG習慣と、より良い睡眠につながるOK習慣をご紹介します。

【寝る前に避けたいNG習慣】
×寝る前の食事
→体内時計のズレの原因になります。就寝2時間前までに済ませるのが目安です。

×寝る前のスマホ
→光で覚醒してしまうので、就寝1時間前からオフ。

×カフェイン(コーヒー・お茶・エナジードリンクなど)
→代謝に個人差があるものの、覚醒作用があるので敏感な人は就寝の5〜6時間前から控えた方よいでしょう。

×寝酒
→アルコールは短期的には寝つきを良くしますが、途中覚醒の原因になります。また、習慣化すると睡眠の質が低下し、その対策として飲酒量が増えてしまうことも。お酒は夕食時に軽く楽しむ程度にとどめましょう。

×喫煙
→ニコチンに覚醒作用があるだけでなく、喫煙歴の長い人は、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなります。タバコはその他のさまざまな健康リスクにもなるので、早めに禁煙してください。

【積極的に取り入れたいOK習慣】
◯適度な運動
適度な疲労を感じることで寝つきが良くなり、睡眠の質が高まります。ただし、強度の高すぎる運動や、寝る直前の激しい運動は睡眠のさまたげになるおそれがあるので、無理のない強度で日中に行うのがポイントです。有酸素運動と筋トレのどちらでも睡眠改善に効果があります。

◯光の環境づくり
照度が低い明かりでも睡眠の効率を下げるので、できるだけ暗くして寝るのがおすすめです。起床後や日中は太陽の光を意識的に浴びることで、体内時計がリセットされ、睡眠と覚醒のリズムが整います。

*うまく眠れない時は…
寝床の中で「眠らないと」と焦ると、緊張して余計に寝つきづらくなります。一度布団から出て、自分に合った方法でリラックスを。眠気を感じたら寝床に戻ります。スマホやテレビは、光で覚醒してしまうので避けた方が良いでしょう。

※心配事などで一時的な不眠におちいることは、誰にでもありえます。睡眠環境や生活習慣を改善しても寝つけない、寝ても疲れが取れない、寝ても何度も目がさめるなどの問題がある場合は、医師に相談しましょう。

【参考資料】

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◆ ANA Healthy Mail編集・発行 ◆
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