メールマガジン“ANA Healthy Mail”

2024年9月25日号 Vol.145

全日本空輸健康保険組合

――― ANA healthy Mail magazine ―――

□■ 今こそ立ち上がれ! 座りすぎを改善しよう ■□

「食べすぎ」「お酒の飲みすぎ」が健康によくないのはご存知の通りですが、近年、注目されるようになってきたのが「座りすぎ」です。まさに今、座ってこのメールマガジンを読んでいる方は少しドキッとしたかもかもしれませんね。今回は、現代の新たな危険因子ともいうべき座りすぎ問題とその改善について、解説します。

日本人は座りすぎ!?
みなさん、1日のうち、座っている時間はどのくらいでしょうか?朝は車で座って出勤、デスクワーク・ミーティング中は座りっぱなし、お家時間はソファで動画を見ながらゴロゴロ…など、座りすぎに心あたりがある方も多いのでは?

動かなくても生活できる便利な社会では、ついつい、座りっぱなしになりがちです。そして、日本人の座っている時間(座位時間)は世界最長の1日7時間!その背景として、「デスクワークが多い」「仕事時間が長い」などが考えられますが、各国との比較を見ると、かなり座りすぎていることがわかります。。

【1日あたりの座位時間の比較】
日本:420分(7時間)
台湾:360分(6時間)
スウェーデン・スペイン・カナダ:300分(5時間)
アメリカ・中国:240分(4時間)
インド:210分(3時間30分)
ブラジル:180分(3時間)
ポルトガル:150分(2時間30分)
※オーストラリアの研究機関の調査結果による。なお、数値は平日の座位時間の中央値。

「座りすぎ」で死亡のリスクが上がる?!
「座りすぎたところで、影響が出たとしても肩こりや腰痛くらいでは…」なんて思っていませんか?近年の研究により、座っている時間が長いほど、さまざまな病気の危険が高まり、死亡率が上がることが明らかになってきました。現在、座りすぎのはっきりとした定義はないものの、1日あたりの座位時間が8時間を超えると、病気・死亡のリスクがぐっと上がることがわかっています。

ちなみに、定期的に運動していても、普段の生活で座りっぱなしの時間が長いと、病気・死亡の危険性が高まるという研究データがあります。運動習慣の有無にかかわらず、座りすぎには注意が必要です。

【座りすぎにはこんな悪影響が…】
  • 筋肉量の低下・心肺機能の低下
  • がん・肥満・心臓病・2型糖尿病
  • こころの不調
など

座りすぎを改善するには?
「座りすぎがからだに悪いのはわかったけど、仕事などでどうしても長時間座らないといけない場合はどうしたらいいの?」と思った方、どうぞご安心を。こまめに立ち上がり、座りっぱなしを中断すれば、健康への悪影響は減らすことができます。「30分に1回」を目安に、立ち上がる機会を作ってみましょう。

なお、座りすぎは仕事の効率低下を招くという報告もあるので、仕事のパフォーマンスアップのためにも、業務の状況に合わせて、こまめにからだを動かす習慣をつけたいところです。

【座りすぎ対策の例】
  • ミーティングは立って行う
  • 用事はメールでなく、口頭で伝えに行く
  • 自分に合った高さのデスクや棚で立って作業する
  • ゴミ箱やリモコンなどを離れたところに置く
  • コーヒーやお茶をいれに立ち上がる
  • ウェアラブル端末のアラーム機能や、一定時間ごとに立ち上がるよう促してくれるアプリを活用する
など

積極的にからだを動かすことも忘れずに
健康キープのためには、座りすぎの防止に加え、もっと活発にからだを動かすことも大切です。働く世代(18〜64歳)の場合、1日の目標は、「普通に歩くのと同じか、それ以上の強度の運動を合計60分以上」。歩数だと8,000歩以上に相当します。

もし、なかなかまとまった時間がとれない、運動に自信がないという場合は、日々の家事や移動でからだを動かすのもOK。下記の方法を参考に、まずは今よりも10分多くからだを動かすことを目指しましょう。また、余裕がある場合は、筋力トレーニングを週2〜3回取り入れると、より効果的です。

【日常生活でからだを動かす方法の例】
  • 通勤を自転車や徒歩に(一つ手前の駅で降りて歩くなど)
  • 階段を使う
  • テレビのCM中は立って体操
  • テレビを見ながら筋トレ
  • 休日は家族や友人と外出
  • 子どもの送り迎えは徒歩で
  • 通販を使わず店舗で買い物をする
など
※必要な運動量には個人差があるので、目標はあくまで目安です。からだを動かす際はケガや体調に注意して、できることから無理せず行いましょう。

【参考】
  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」「座位行動」
    「e-ヘルスネット 座位行動の定義とその実態」
    「身体活動量アップで健康維持!私のアクティブプラン(解説書)」
  • Bauman A, Ainsworth BE, Sallis JF, et al. The descriptive epidemiology of sitting. A 20-country comparison using the International Physical Activity Questionnaire (IPAQ). Am J Prev Med. 2011; 41(2): 228-235.

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